こう言うラブロマンスを観るには、ちょっと年齢が行き過ぎてしまったのだろうか・・・心があまり動かなかった自分が哀しい、映画「九月の恋と出会うまで」



同名の原作は、何とTSUTAYAの店員が絶版本から選ぶ「今本当にオススメしたい文庫の恋愛部門第一位」作品だそうで、このTSUTAYAの店員さんがどれほどの知識と感覚でオススメしたのかは今ひとつわかりませんが、ある程度の評価を得た恋愛小説のようです。しかし絶版本から選ぶって、どう言う意図と基準なのだろうか・・・


旅行代理店で働く志織(川口春奈)はアーティストばかりが住むという不思議なアパートに引っ越してきた。ある日、いつものように部屋でくつろいでいると、エアコンの穴(スリーブ)の向こうから声が聞こえてくる。
相手は「ヒラノ」と名乗り、志織のことを知っているし、未来から話かけているのだと言い出した。
怪しむ志織だったが、次々と未来に起こることを予測され仕方なく信じることに。そして「ヒラノ」は隣室の小説家志望のサラリーマン平野(高橋一生)を数日間尾行してほしいと言う謎の依頼をしてくる。



タイムリープ(時間移動)を鍵とした恋愛ストーリー。ある意味恋愛SFストーリーと言えなくもないです。

志織は平野を尾行していくうちに、平野の存在を特別に思うようになるが、平野は不思議な現象の理由を導き出してしまった。

過去を変えてしまえば、その皺寄せがどこかに来る。

同じく志織に惹かれつつある平野は、どうにか変えてしまった過去の辻褄を合わせることに奔走し、必死で未来への希望を託そうとするのだが。


2019年の映画ではあるのですが、まず志織の住むアパートに現実味が欠落しています。
どこか山の中の別荘を思わせるような物件で、志織の部屋も夢みたいに広くておしゃれなのです。
これはひと頃のトレンディドラマのようにリアリティがなく、志織が平野を尾行していくうちに惹かれていくと言う流れは自然なのですが(でもこれが未来の平野が頼んだとしたら自然とも言えないのか?)、尾行を頼まれるまでのやりとりが何とも平坦だし、尾行初日に志織がショッキングピンクのパンツを履いていたのにはびっくりしました。
尾行をやったことのない素人が、あんな目立つ格好するのだろうか・・・
確かに、いかにも探偵のようなハンチングに全身真っ黒でもそれはそれで引きますが・・・

途中、志織の住むアパートに空き巣が入るのですが、この重要な局面に志織がさほど恐怖を覚えていないように見えたのも謎が深まりました。一人暮らしの引っ越ししたての部屋で、帰ってきたら鍵が空いてて中が荒らし放題にされていたら、さすがに恐ろしくてそれ以降(その日くらいは)部屋にいられない気がするのですが、一人暮らしの方ってそうでもないのでしょうか。
私が被害者意識が高過ぎなのだろうか・・・

ちょっとリアリティに欠ける部分があり、さらにそこにSFのような話が上積みされたこともあり、恋愛に心を砕く余裕がありませんでした。
とても残念。

タイムパラドックスとか、タイムリープとか嫌いではないのだけれどなぁ。
そこに、好きだけど一緒にいられないと言うジレンマが絡む恋愛なんてすごくいいと思うのに、2時間と言う制約が駆け足に説明しすぎてしまったのかも知れません。

恋愛映画ではうっとりしたいのだけれど、消化不良でこれはまたトロトロに甘い恋愛映画でも見なければおさまりそうもありません。

高橋一生さんも川口春奈さんもそれぞれスマートで美しいけれど、カップルと言うにはちょっとテイストが異なるかなと思う。

九月の恋と出会うまで (通常版) [Blu-ray]
ミッキー・カーチス
バップ
2019-09-04