最終回を迎えた月9「絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜」

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犯罪を未然に防ぐことを目的とし、あらゆる国民のデータから犯罪を起こす可能性のある人物を検知し先回りしてどんな犯罪が起こりうるのかを捜査する極秘の部署ミハン。

上戸彩主演で未解決の事件を扱う部署を描いた絶対零度から、今度は犯罪を未然に防ぐことを目的としたミハンシステムの創設から正式発足まで、4シーズンに渡って放送されている続編コンテンツです。

今回は、法制化に情熱を持った法務省官僚の香坂(水野美紀)が加入し、ミハンひいては警察に必要な人材であるか、リーダーの井沢(沢村一樹)を判定する時期に差し掛かっていた。

様々な事件を解決するうちに、ミハンでしか知り得ない情報を使って法を逃れた犯人たちを成敗している人物がいる可能性が浮上。
容疑者はミハンのメンバー全員となるが、そんなおりテロ爆破事件が計画されている情報がもたらされ犯人を追うも、その計画に香坂が加担していることがわかってくる。

ただその生い立ちから犯罪をこの世から無くしたいと強く願う香坂の気持ちを誰よりも感じていた井沢は、彼女はテロを未遂に終わらせる計画で進めていたことを察知。
テロ計画が止まっていないことを知る中、小田切に接近してきたカメラマン篠田(高杉真宙)が香坂の実の弟でありミハンの法制化を誰よりも望んでいる首謀者であることが判明。


このテロ計画が持ち上がったときに、「テロの恐怖に陥れて、平和ボケした日本に危機感を与える」という使い古されたような流れが浮上してきて、残り3話くらいは退屈になってきました。
恐怖を与え、危機感を煽ってミハンの法制化を目指してきた香坂、それでは生温いと実際にテロを起こすと計画を変更し様々な人間に近づき利用してきた香坂の実の弟。
それに賛同したものたちと、警察内部の様々な思惑が渦巻いてこのテロ事件は実行へと導かれていくのだけれど、

そもそも恋愛ボケしていたとは言え、小田切が篠田の裏の顔に気づかないという失態

そしてそれを言い訳するように、篠田の決死の告白で「最初は利用するつもりだったけど実は好きになった」という少女漫画でもあり得ない甘い展開

実は家族を殺したのは自分だと告白している篠田に、怒りを露わにしつつも「許すよ」となぜか言ってしまえる改心した仏のような井沢

これは・・・何かしら「実はみんな悩みを抱えて苦しかったんだよ」と犯罪者を丸めこんでしまう恐ろしい展開となってしまいました。
いやいや、ダメなものはダメでしょう。

殺人者からの愛の告白に涙して感動する小田切、うーん、刑事やめたほうがいいと思う。

あの告白はうがった見方をすると、最後はいい人になりたかったのかしらとなってしまう。全部嘘だと罵倒したほうがまだ、言葉とは裏腹にもしかしてこの人は最後の最後に恋に心を奪われたのでは、という哀愁は出たと思う。
正直に言えばいいってもんじゃない。

犯罪者は皆悪、ということではないけれど、話の展開として「ああ終わった」とみんなが安堵の息をついて、最後は和やかにテーブルを囲む、というのがついていけませんでした。

日本のゆるい危機意識に喝を入れるために、あえてテロを起こして不安を煽る、という手法も今となっては意外性に欠けます。
このシリーズは最初からラストが見えていた(香坂が殺されている場面からスタート)ゆえに、根底に流れる大きな事件が少々お粗末だったのが残念でなりません。

このドラマは最終回の後で、アフターストーリーとして正式発足するというところから始まる1話が用意されているようです。
最近こういうのも流行りなのでしょうか。月9の定番なのかな。
ただミハンが正式に日本において採用されるというのはなかなか描きづらい未来ではあるので、続編はもうないということなのでしょうか。

ミハンの1人がテロ事件の首謀者に利用されるというトピックスはすごく良かったと思うのに、もう少しキャラクターがぶれない冷酷さを見せてくれたら良かったな。
高杉真宙くんは裏の顔を持つ役どころをうまく演じていました。 

最後に・・・井沢と香坂の覚悟の上でのキスシーンは凄かった!驚いて、戻してもう一度見てしまいました(笑)

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