塚本晋也監督の作品「バレットバレエ」を観てみました。世界でも評価される塚本監督の作品、実はあんまりみたことないんです・・・。2000年日本。

 







合田(塚本晋也)は恋人を銃自殺という衝撃的な方法で失ってしまってから、喪失感と虚無感にかられる毎日となった。そんな時に不良グループと出会いいわれのない暴力と遭遇したことで次第に「銃を手にいれる」ことに執着していく。
その不良グループにいる若い女千里は死を切望しているように、いつも冷めた目で時代を殴るように生きていて、合田は女にとりつかれると同時に不良グループの抗争にも巻き込まれ、そこから生への希望を見出していく。


モノクロームの映像、コマ送りの荒い場面展開、ただ無防備に生きていく若者たちと、生きる意味を見出せない空っぽの中年男。
それらが絡まり、殴り殴られていくうちに死というものがはっきり、不気味に浮き上がってくる。

男は恋人の死を受け入れられず、その死を招いた「拳銃」に次第にその意味を求めていく。生も死も突然やってきて突然果てる、そこにははっきりとした意味やメッセージなどなく、ただひたすらに空っぽの自分を確認していく。

世界観が確立されていて、やや難解な部分はありつつも突き詰めて考えるのではなくて、何となく感じればいいのかなと思える映画でした。

乱暴に芸術的な作品に触れたいときにはオススメです。