映画「幼な子われらに生まれ」を観ました。



実の娘を妻に渡し、別の女性と結婚した田中(浅野忠信)。現在の妻(田中麗奈)には2人の連れ子がいて、当初は懐いてくれていたが、長女が難しい年頃になってきた時に妻が妊娠し状況は悪化する。
異動により閑職と言える倉庫係になった田中は、家庭でも安らげる場所を失い徐々にイライラを募らせていく。
自分を失った田中はついに、長女の言葉通りに妻の元夫「本当のお父さん」を探し、会わせてやろうと考えるが・・・


子供に接する「お父さん」の顔をした浅野忠信が、それでも少し違和感を感じさせながら物語は進んでいきます。生活感を感じさせない彼が今回挑んだのはプライベートにリンクするだろうか、「普通の父親」。 
その微妙な違和感そのままに、反抗心をむき出しにする義娘、年に数回しか会えない実の娘、間に挟まれてただ困るだけの妻により不満を溜め込む顔がリアルに描き出されます。
怒りを爆発させながら、彼が挑んだ風穴を開ける行動は果たして吉と出るのか。

家族を捨て、1人気ままに生きる元夫をクドカンが情感たっぷりに演じていて秀逸。最低だけれど、家族という言葉に反応し、ちょっとは格好つけようとする男の悲哀があふれていました。

血の繋がった子供ができたことで、家族のつぎはぎがよりコントラストを持ってそれぞれを揺さぶる。これは現代ではそんなに珍しくないことなのかもしれません。
子供のいない自分には、あんまりリアリティを持って親の気持ちになることは出来ないけれど、家族という集合体の本当の意味を考えるにはいいきっかけになったかなと思います。