映画「結婚(2017)」を観ました。2017年日本。


 

容姿端麗、どこか影のある男古海健児(ディーンフジオカ)が生業としているのは結婚願望の強い女を夢中にさせお金を騙し取る結婚詐欺師。しかも彼には愛する妻(貫地谷しほり)がいる。
「結婚しよう」。その言葉で有頂天にさせ、大金を振り込んだ途端彼は忽然と姿を消す。
騙された女は必死に彼を探すのだが、その姿にはどこか愛する男を諦めきれない複雑な心理が見え隠れしていた。
愛される夢から醒めた女たちはまだ、どこかで彼の本気を探し当てようとしているようにも見える。
そして健児もまた、はっきりとわからない不安の影に怯える毎日でその闇がさらに女を引き込み、虜にさせる。

ディーンフジオカの際立つ容姿には説得力があり、騙されて怒っているはずの女たちがそれでも自分には何か違う感情を抱いてくれたのではないかと最後の望みをかすかに抱く様は、彼の憂いのある横顔と表裏一体でこの物語の悲しい側面が見え隠れします。
彼は妻との生活のためと女を騙し金を取る。そこには憎しみのような、祈りのような、彼の胸の中に宿る本心が託されている。
それに触れられる女はいないのだけれど、彼の決意ののちに見えてきた真実とは一体・・・
 
これという際立った特徴もなく、割と淡々とした映画ではありますがディーン様の魅力は存分に感じられる作品ではないでしょうか。主題歌もディーン様ですし・・・

結婚
ディーン・フジオカ
2017-12-06