映画「メッセージ」を観ました。2017年アメリカ。

もう感動で涙が止まらなかった作品。公開時話題になったのか、ならなかったのか。もっと評価されてもいいのになと思えた作品でした。

 

ある日突然、謎の巨大物体が世界の様々な12箇所もの上空に現れた。未確認物体に世界中がパニックに陥るが、決められた時間に彼らと交信できるチャンスがあることがわかるとこぞって皆その正体と目的を解明し始める。
言語学者のルイーズは、彼らが発する音声の解析を物理学者のイアンとともに行うことを軍から依頼される。コンタクトをとるうちに、彼らの高度なコミュニケーション能力を悟ったルイーズは彼女らしいアプローチでどうにか会話らしいものを交わせるまでに到達する。
ところが、彼らが「武器を与える」と発したことから一気に侵略の匂いを感じ取った中国が宣戦布告を仕掛けようとする。 
彼らが発した「武器」とは何なのか。ルイーズが達する、彼らとの新境地とは何なのか。

これはよく閲覧するブログの作者さんがすごく良かったと言っていたので、気になりつつも劇場公開を逃した作品です。

ルイーズは孤独な光をたたえた女性。物理学者のイアンとは反発し合うような思想の持ち主ですが、未確認物体の中に住む二体の謎の生物ヘプタポッドと交信するためにやがてなくてはならないパートナーになっていく。
この謎の生物は言葉を発するという方法ではなく、一瞬にしていくつもの言語を表す独自の伝達方法を備えた高等な生き物であることがわかる。そこに置いては時間軸は意味をなさない概念。
時間が現在過去未来と流れる世界にいない物体と、どうしても記憶や過去にとらわれてしまう人間との交信は困難を極めるのだけれど、そこにルイーズが入ることでぐるりと概念がひっくり返されてしまう。

とにかく、何の情報もない方がよりこの映画の魅力に触れられる作品となっています。
ネタバレや解説、Wikipediaなど事前に読まないことをお勧めします。

もう全てが分かった時のあの何とも言えない気持ち・・・今自分が立っているところは「現在」ではないのかもしれない。時間軸の不思議な感覚にそのまましばらく立ち尽くしてしまうような、そんなパワーに満ちた作品でした。自分だったら、と思うと涙が止まらない。それでもきっとルイーズのことが理解できてしまうのだろうな。

メッセージ (字幕版)
エイミー・アダムス
2017-07-21