映画「スポットライト 世紀のスクープ」を観ました。2015年。



カトリック教徒の多いボストンで、神父による集団児童虐待事件をスクープした実話を元に制作された本作。
教会が地域に貢献し、人々の拠り所となっているために、見過ごされてきた真実。それらを追求するも家族や周囲の理解を得られないというこの一大スクープを、諦めることなく追い続けた記者たちの戦いのドラマになっています。

こういった宗教にまつわる話というのは、なかなか理解しづらくどちらかと言えば苦手なジャンルです。
このスキャンダルを記事にすることがいかに難しいか・・・などということは、本当の意味では理解できないし、ただ悪を暴くということ以外に絡み合う複雑な事情などを事細かに感じることができないからです。

心を閉ざし、人を信用できなくなっている頑なな心をどうやって溶かし、こちらに向いてもらうのか。
駆け足とは言え、めげずに立ち向かうことを決意したメンバーたちが葛藤しながら前に進む姿には格好良さを感じました。
それが実話を元にしている、と聞くとなおさらにストーリーに厚みが出てきて、静かながらも強い意志を感じさせるのです。

ここでは真実こそが重要。
派手なアクションや巧妙なトリック、か弱く美しいヒロインに屈強なヒーローなどという図式ではないのだけれど、正義が勝つというラストは清々しい気持ちになれます。


スポットライト 世紀のスクープ[Blu-ray]
マーク・ラファロ
VAP,INC(VAP)(D)
2016-09-07