映画「世界から猫が消えたなら」を観ました。2016年日本。

僕(佐藤健)はごく普通の郵便配達員。ただ、ある日突然余命宣告され、現れたもう1人のボクから「この世から何かを失くす代わりに、寿命を一日あげる」と言われる。
電話、映画、時計、猫。
次々にボクから出される「失くすもの候補」は、今の僕を形成するとても大事な人たちに繋がっているものばかりだった。


 


命より大事なものなど、この世の中にあるだろうか。
そして、自分がいなくなった後の世の中は、社会は、周囲は一体何か変わるのだろうか。

誰しも考えたことがあり、誰しも答えをはっきり出せないテーマにすごくシンプルに、そして深く向き合った結果、こういうストーリーになったのだなぁとエンドロールが流れる中しんみりと思いました。

電話や映画など、一見無くては寂しいし、困るような気がするけれど、命と引き換えと言われたら迷うほどでもないようなものが、大切な人とを結ぶ重要な役割を担っていたり、失くなった後の世界が味気ないものに変わってしまったりする。そのうちに僕は気づくのです。

それは人も同じ、なのだと。

「自分なんていなくても」と思うような人生であったとしても、そんな風に思わせる世の中や家族であったとしても、まるきり無かったとしたら誰かの何かが変わってしまうかもしれない。つまらないと思うことでも、誰かの何かになっているのかもしれない。
自分を大切にしろ、と言われてピンとこなかったとしても、この作品によってその意味が胸にストンと落ちてくるかもしれない。そんな予感に満ちた映画でもありました。
少しドラマティックすぎる展開かなと思うようなところもありますが、優しい歌声のテーマソングが最後に全てを包んでくれるようなそんな包容力に満ちています。


映画好きの僕に、オススメの作品を貸してくれるようになって親友となったツタヤ(濱田岳)が持ってきた作品の中に、これがあった!!!
まだ観たことないのだけれど、これ気になってた作品だったんだ!!!思い出したー。

 
太陽を盗んだ男 [DVD]
沢田研二
ショウゲート
2006-06-23





他にも「ブエノスアイレス」なんかも紹介されていて、懐かしい映画だなぁと思い返したり。




小説も気になる・・・




連休中に映画を2本は観たいと思っていたけれど、結局この1本になりました。
誰かの何かでありたい、そんな風に思いながらもなかなか実感できない毎日ではあるけれど、もしかしてその方が楽だから実感することから逃げているのかもしれない。

大切なもの、捨てられないもの、そういうものを常に認識することはちょっと息苦しいけれど、覚悟すればきっと大丈夫。
果たして今の自分の手の中には、いくつあるんだろうか。