映画「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」を観ました。2016年日本。

さやか(高畑充希)は、何もなく周りの人だけが幸せそうな毎日に押しつぶされそうになっている一人暮らしのOL。
そんなある夜、1人のお腹を空かせた青年樹(岩田剛典)が「僕を拾ってくれませんか」とさやかの目の前に現れた。
彼の作った朝食に感動したさやかは、行くところがないなら家にいてもいいと同居を申し出る。
苗字も素性も言いたがらない彼とささやかに穏やかな日々を送るうちどんどん惹かれて行くさやか。気持ちをぶつけ、心が通い合ったと思い始めたある日、彼は約束の半年をもって突然姿を消す。


 

有川浩の原作を読んでいたので、大体のストーリーは知っていたものの、映画の中で一番胸キュンしたのは、樹が作る美味しそうなご飯の数々・・・といういささかトキメキ不足な印象でした。
ただ、岩田剛典さんにキュンキュンきた!という意見もかなり聞こえて来ましたので、私の年齢のせいというよりは、好みの問題なのかも(と思いたい!強く!!)

高畑充希さんも、もう少し大人びた冷めた女性の印象が強く、ほんわかしたラブストーリーには私のイメージだと少し違ったのかなぁと。
有川さんの作品は、乙女心を刺激する王道のラブストーリーもたくさんありますので、そういうものに憧れる年代だともっと素直にストレートに気持ちにドンと入ってくるのかもしれませんね。

ただ、2人の関係が深くなり、歯がゆくもささやかな思いが募って行く過程において外せないのが、2人を結ぶ「ナチュラルな食卓」。
樹はさやかに愛情いっぱいの弁当を持たせ、さやかがこれまで好んで食べていた外食の味を「しょっぱいな」と思わせるほどに変えてしまうのです。
恋をして、いろんな変化をする女性は多いのでしょうけれど、女性ではなく男性が作る料理によって女性の味の好みが変わるというのは有川さんならではの斬新な設定だなと思います。
料理をして待っていてくれる男性・・・これは今だからこその理想の彼ということになるのかもしれませんね。
確かに、会社で嫌味な上司に文句を言われ、いいことがないなぁとため息をついて帰る先に美味しい料理と大好きな彼の笑顔があったら、それは毎日が楽しくて仕方ない!それを失いたくないと強く思うほどに。

彼によって新しい世界が開ける、興味の持てることが見つかる、そういう出会いって年齢を重ねるとなくなるからこそ、もっと臆せずにいろんな人と出会いたいなぁと思う、そんな作品でした。