wowowでずっと前にやっていた「贖罪」。そのインターナショナル版が録画したままになっていたので、今回思い切って着手。トータルで4時間以上でしたが、何回かに分けてようやく観れました。


ある日、小学生の仲良し5人組で遊んでいた最中、エミリが知らない男性に連れられ、その後殺されるという事件が起きる。エミリの母親麻子(小泉今日子)は、残りの4人がこれという証言ができないまま事件が迷宮入りになったことに苦しんでいた。狂気じみた顔で、4人の女子に「贖罪」を課す麻子。恐怖とともに、麻子の言葉を刻んだ15年後の4人と、今も抜け殻のように日々を過ごす麻子との贖罪とはいったい何か。

 
とにかく小泉今日子が素晴らしい。その愛らしい顔つきから発せられる狂気じみた声色は少女の胸に深く深く刻まれたであろう迫力に満ちています。
原作は湊かなえさんの同名小説。小説を読んだことがないのでわからないのですが、この麻子という人の存在感がチャプターごとにゆらゆらと常識と狂気の間を行ったりきたりするような感じがして違和感がありました。 本心がどこにあるのか少し読みづらかったです。

自分が幸せになってはいけないのではないかとひたすら大人になるのを拒む女、厳しく律し、贖罪を心に植え付けながらおのれを鍛え上げる女、抜け殻のようにただひたすらに母親の庇護のもとで息苦しく不毛な日々を過ごす女、そして何でも他人のものが羨ましくなるズルい女。4人に課せられた贖罪の重みが残酷なぐらいに胸に迫ってくるのに、案外結末が呆気なかったなという印象。

もしかして、あのぐらいしっかりした子供たちなのだから犯人の顔や体つきなど絶対に覚えていただろうに、皆が口を閉ざすのは何かしら重大な意味があるのではないかと探っていたのですが、本質は全然別のところにありました。
それが少し肩すかしだったかな・・・ 

でも贖罪の捉え方が様々にあるということが興味深かったのと、小泉今日子の考え抜かれたと言いますか、洗練された「いいところの奥様」スタイルがすごくマッチしていて、画面を華やかに彩っていました。
白いブラウス、黒いワンピース、ノスタルジーな柄のワンピース、ハイヒール、時々でシックにもゴージャスにもなる彼女の衣装は、一見の価値アリ。 

あとは、わざとなのか話を聞く為の警察内のスペースが、無駄なものに溢れ、改装中でどこもかしこもバラバラだったのが印象的でした。空虚で雑多な麻子の心理を表していたのかもしれませんね。

大人になった女性4人を蒼井優・小池栄子・安藤サクラ・池脇千鶴と実力派が演じていて、見応えはあります。とくに蒼井優の回が良かったかな。
男性出演陣では、優しい顔の裏側に潜む狂気を演じて素晴らしかった加瀬亮さんに注目。

何かと話題の多い作品でした。