映画「ここは退屈迎えに来て」。山内マリコさんの同名小説を映画化。
高校の時に人気者だった椎名くんが、「桐島、部活やめるってよ」の桐島くんっぽいなと思えたけどそんないいもんじゃなかったところにリアリティはあった。
10年東京にいたけれど結局何も得られずに田舎に戻ってきた私(橋本愛)。タウン誌のライターとしてフリーカメラマン須賀(村上淳)と組んで仕事をしている。
好きでもない男とだらだらと会っているあたし(門脇麦)、東京に行って自分を取り戻そうとしている新保くん(渡辺大知)、騒がしい家から逃れて東京に進学したいと望む女子高生、みんなが思うのは、高校時代いつもみんなの輪の中心にいた、椎名くん(成田凌)。
椎名くんは格好良くて、調子良くて、楽しそうに笑い、フラフラと遊び回る自由人。
好きな女子はたくさんいて、でも特定の誰かを作らない椎名くん。
物語は私が、一度も田舎を出たことがなくて東京のイメージを羨んで何となく日々を生きるサツキ(柳ゆり菜)と、久しぶりに繋がった椎名くんに会いに行くところから始まります。
そこに須賀さんも付いていくことになり、道すがら新保くんに偶然に出会う。
地味キャラでやや苛められていたような新保くんにも、椎名くんは優しかったのだけれど、新保くんから聞かされた近況は、あの輝いていた椎名くんとは少し違うみたい。
そもそも教習所で働いてる、なんてあの頃の椎名くんからはちょっと想像できない。
この辺りまでは、もしかして椎名は最後まで出てこずに伝説っぽい感じで終わるのかなと思っていたのだけれど(女子のロードムービーのように)、合間に過去へ飛んだり、一見何の関係もなさそうな女子2人のファミレスシーンが出てきたり、何となく謎めいたまま進みます。
ところが、過去のシーンであっさり椎名は登場。
成田凌くんは格好いいけれど、女子2人が話していた時の感じからするとやや線が細くてインパクトが弱くてちょっと残念。どちらかと言うと新保くんの方が似合うんじゃないかなぁ。
この映画は、何かになりたい、絶対なれるはず、と意味もなく信じられて無邪気だった「あの頃」からすると、少し期待外れな人生だなと道半ばで思う30手前の男女たちが綴る、ほんの日常の一コマと言うことなのだろうけれど、組み合わせのパズルがややこしくて退屈な日常とするには難解だったかな。
ありふれた日常を丁寧に切り取ることで、今自分が立っている場所が大切に思える、そんな物語のように感じたけれど、誰かにとっての大事な人は誰かにとればどうでもいい人なんだなぁと身も蓋もなく思えてしまった。だからどうなのだ、と言う気がしないでもなかった。
こう言う日常というか普通っぽいストーリー展開は嫌いではないけれど、1つくらいフックになるようなものが欲しかった。
フジファブリックの歌が好きな人にはPV的な要素がある物語かもしれません。
途中出演者たちが、アカペラで1つの歌をつないでいくシーンがあるのですが、さすが渡辺大知さんはプロだけあってめちゃくちゃ上手でした。あの後には歌いたくないだろうな。そう思うと、門脇麦ちゃんは演技も歌もうまい。秀逸。
本、読んでみよう。
高校の時に人気者だった椎名くんが、「桐島、部活やめるってよ」の桐島くんっぽいなと思えたけどそんないいもんじゃなかったところにリアリティはあった。
10年東京にいたけれど結局何も得られずに田舎に戻ってきた私(橋本愛)。タウン誌のライターとしてフリーカメラマン須賀(村上淳)と組んで仕事をしている。
好きでもない男とだらだらと会っているあたし(門脇麦)、東京に行って自分を取り戻そうとしている新保くん(渡辺大知)、騒がしい家から逃れて東京に進学したいと望む女子高生、みんなが思うのは、高校時代いつもみんなの輪の中心にいた、椎名くん(成田凌)。
椎名くんは格好良くて、調子良くて、楽しそうに笑い、フラフラと遊び回る自由人。
好きな女子はたくさんいて、でも特定の誰かを作らない椎名くん。
物語は私が、一度も田舎を出たことがなくて東京のイメージを羨んで何となく日々を生きるサツキ(柳ゆり菜)と、久しぶりに繋がった椎名くんに会いに行くところから始まります。
そこに須賀さんも付いていくことになり、道すがら新保くんに偶然に出会う。
地味キャラでやや苛められていたような新保くんにも、椎名くんは優しかったのだけれど、新保くんから聞かされた近況は、あの輝いていた椎名くんとは少し違うみたい。
そもそも教習所で働いてる、なんてあの頃の椎名くんからはちょっと想像できない。
この辺りまでは、もしかして椎名は最後まで出てこずに伝説っぽい感じで終わるのかなと思っていたのだけれど(女子のロードムービーのように)、合間に過去へ飛んだり、一見何の関係もなさそうな女子2人のファミレスシーンが出てきたり、何となく謎めいたまま進みます。
ところが、過去のシーンであっさり椎名は登場。
成田凌くんは格好いいけれど、女子2人が話していた時の感じからするとやや線が細くてインパクトが弱くてちょっと残念。どちらかと言うと新保くんの方が似合うんじゃないかなぁ。
この映画は、何かになりたい、絶対なれるはず、と意味もなく信じられて無邪気だった「あの頃」からすると、少し期待外れな人生だなと道半ばで思う30手前の男女たちが綴る、ほんの日常の一コマと言うことなのだろうけれど、組み合わせのパズルがややこしくて退屈な日常とするには難解だったかな。
ありふれた日常を丁寧に切り取ることで、今自分が立っている場所が大切に思える、そんな物語のように感じたけれど、誰かにとっての大事な人は誰かにとればどうでもいい人なんだなぁと身も蓋もなく思えてしまった。だからどうなのだ、と言う気がしないでもなかった。
こう言う日常というか普通っぽいストーリー展開は嫌いではないけれど、1つくらいフックになるようなものが欲しかった。
フジファブリックの歌が好きな人にはPV的な要素がある物語かもしれません。
途中出演者たちが、アカペラで1つの歌をつないでいくシーンがあるのですが、さすが渡辺大知さんはプロだけあってめちゃくちゃ上手でした。あの後には歌いたくないだろうな。そう思うと、門脇麦ちゃんは演技も歌もうまい。秀逸。
本、読んでみよう。