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2019年09月

食欲も性欲も紙一重?!・・・映画「食べる女」

映画「食べる女」を観ました。



食べ物に関する古書店を営みつつ物書きをする敦子(トンコ)(小泉今日子)。彼女の家には、小料理屋を営む肉食女子美冬(鈴木京香)、編集担当で長らく恋をしていない圭子(沢尻エリカ)、優しくて料理のできる彼氏と同棲中の製作会社AP多実子(前田敦子)が集まり、おいしい食卓を囲み、お酒を飲み、女同士の楽しい宴を催していた。

そこに夫に捨てられた料理オンチのリサ(シャーロットケイフォックス)、夫に出て行かれ途方に暮れるパーツモデルツヤコ(壇蜜)、多実子がよく行くBarで働く珠美(山田優)、そしてそのBarで泥酔してつい男に持ち帰りされてしまうあかり(広瀬アリス)らが絡み、それを取り巻く男たち、食欲と性についての物語がそれぞれに紡がれていく。



とにかくみんな美味しそうに食べる食べる。
それは女たちを至福の顔にさせる手間暇と愛情が込められた素晴らしい料理の数々。

あるものは心を込めて料理を提供し、あるものは自分を料理に見立てて反省をする。
そしてあるものは料理によって捨てられ、食べることで救われる。

これでもか!というくらいの豪華共演陣。
それぞれの物語が細切れで進んでいくので、見飽きることなく進みます。

途中までは、「かもめ食堂」や「めがね」「プール」などを手がけられたスタッフのような匂いがちょっとするなと思っていましたが、小泉今日子扮するトン子のキャラクターが少し突出しすぎていたかな。生活もスタイルも浮世離れしていて、それがもっとうまく生かされると良かったなと思いました。

恋するということと、食べるということ、シンプルですごく単純な欲望のことが様々なキャラクターによって浮かび上がってきて、誰しも思い当たるフシがあるかもしれない。
もしくはこの中だったら誰がいいな、ですとか。

一番可愛く見えたのは、酔った勢いですぐ男の人と「そういうこと」になっちゃうあかり(広瀬アリス)。全体的に許してしまうタイプのあかりは、男の人からいいように振り回されすぐに振られてしまう。その彼女がふらりと現れた男性に作るひき肉料理。手早くパパッと作れて、そんな得意料理を「まるで自分みたい」と言うのだけれど、シンプルにとっても美味しそうだった!!!

毎日の料理に飽き飽きしている人、一人暮らしで味気ない食事をしている人、片手間に見るのにとてもちょうど良い映画です。

劇中で圭子といい雰囲気になる男としてユースケサンタマリアが出てくるのですが、彼がいるのに事件が起こらないってなんだか不思議(笑)途中までは、何か企んでいるんじゃないか・・・と疑心暗鬼に見ていましたが、今回はとても平和で穏やかな料理自慢のサラリーマンでした。

余談ですが・・・トン子が営む古書店に置いてあった、「私の美の世界」
先日行った恵文社で、同じ著者森茉莉さんの「紅茶と薔薇の日々」を買おうかどうしようか最後まで悩んだのを思い出し、やっぱり買っておいたほうが良かったなと反省。
本も料理も恋も、一期一会のもの。出会いは大切に。 

 
私の美の世界 (新潮文庫)
森 茉莉
新潮社
1984-12-24








書かされていたのか、生かされていたのか、太宰の人生:映画「人間失格」

映画「人間失格」を観ました。




太宰治(小栗旬)はその生き方までもがニュースとなる文壇のお騒がせもの。
そのデタラメさ加減に陰口を叩かれる毎日だが、才能と色気のある太宰には次から次へと女が言い寄ってくる。
太宰の才能を信じ、影となって支えながら子供3人の面倒を見る妻美和子(宮沢りえ)、文学的才能を太宰から見出され、愛人でも構わないと子作りをねだるバツイチの女静子(沢尻エリカ)、そして太宰の最後の女とされ、身も心も捧げ健気に尽くす女富栄(二階堂ふみ)。
次回作をねだる出版社の思惑とは裏腹に、産みの苦しみに酒とタバコと女に溺れていく太宰。その生き方は彼自身を蝕み、やがては吐血を繰り返すほどの肺の病魔に侵される。
彼の作品をまともに汲み取ろうとしない一般大衆、その的外れな評価はそれでも太宰作品の人気を押し上げる。

彼は自身も納得いくような「最高傑作」を太宰は果たして生きている間に書けるのだろうか。



太宰は最低のオトコなのだけれど、その危うさと苦悩、そして無闇に快楽を求めるような堕落した一面があり、それに女たちは惹かれていく。 
彼は傑作こそが最高に売れる作品だと信じているが、薄々小説の真の意図を汲み取ってくれるような読み手は一般大衆には存在しないとわかっている。

ただ、彼は書く。
生きているから書かされているのか、書いているからこそ生かされているのか。

彼自身もわからないまま、女に請われ優しく愛し、フィクションの世界と行ったり来たりを繰り返す。
とにかく今ならば、「クズ男」と一笑に付して終わりそうな生き方。

当時の小説家という地位がどの程度なのかはわかりませんが、強烈に彼を愛する女は個性の強い面々ばかり。
彼の子供を産みたい、彼と一緒に死にたい、そして、彼の最高傑作が読みたい。 

太宰作品はそんなに詳しくはないのですが、吐血しながらも鬼気迫るオーラで書き上げる小説。
それに恋し、奪い合う女たち。

そんな太宰はおそらく妻美和子を一番に大切に思っていたのではないでしょうか。

それを最も感じるシーン。

愛人と遊び歩き、気ままに夜中に帰って妻が用意したおにぎりを夜食として頬張る太宰。 
背中を向けて子供と共に寝入っている美和子の背中に聞こえるように声を発するのですが、美和子は知らん顔。そんな美和子の気を引こうと「あ、虫だ。虫がいる」と大げさに叫ぶ太宰。
とうとう根負けした美和子が、丸めた雑誌を手に「どこですか」と起き上がるのだけれど、当然虫はいない。
自分のわがままで家を空けておいて、妻から構われなければそれはそれで寂しい。

この太宰の振る舞いから、子供のような純粋な男の一面を垣間見ることが出来、タバコをふかし、女をたらしこみ、酒を煽って悪態をつくロクでもない太宰の中に愛らしさを感じてしまうのです。

おっと危ない、これでは静子や富栄と変わらない。
それにしても、愛人でも妻でも、こんな手の焼ける男と恋仲になるのは、地獄だなと思えてきます。
ただしその地獄にこそ、恋することのいじらしいリア充があるのかもしれません。

蜷川実花監督作品では、前回の「ダイナー」の方が好きでしたが、今回の作品も映像美を存分に感じられ、アート作品としても楽しめます。
太宰小栗、良かった! 

それは、しがらみから解放された自由な男の話。映画「記憶にございません!」

映画「記憶にございません!」を観ました。現在公開中。




黒田(中井貴一)は史上最悪の支持率、数々の問題発言と家庭も国民も顧みない態度で日本一の嫌われ者の内閣総理大臣

そんな総理が演説の際、どこからか飛んできた石に頭をぶつけて入院、目覚めた時には一切の記憶を失っていた! 


特に政治家になってからの記憶を失っている黒田は、これまでとは違う人格になっており、その変貌ぶりに周囲は戸惑いを隠せない。

秘書3人は(ディーンフジオカ、小池栄子ほか)は政局の混乱を避けるためにトップシークレットとして一切を隠して乗り切ろうと決意。
乗り気でない黒田を説得し、なんとかそのまま職務を全うするよう画策する。



黒田は、接触してくる人々全員のことがわからず、妻も子のことも忘れている。
ただ総理には仕事も予定も、あれやこれやも毎日怒涛のように押し寄せてきて、黒田は戸惑いながらも総理として政治家として再び勉強しなおすことを選ぶ。


これまで積み上げてしまった悪事や背任行為、失態の数々に反省を見せる黒田。
彼が選択した道は、純粋な頃の自分に戻った姿で、国民のため、家族のために生きることだった!
 
黒田は記憶喪失になることで、これまでのしがらみや請け負ってしまったあれこれ、全てがリセットされてしまいます。 


人は大人になればなるほど、社会に出たらそれだけ、仮面を被り、本音に蓋をして、幼い頃の自分を忘れてしまう。戻ろうとしても、もうすっかり戻れないところまで来てしまっている。

ああ、このいろんな荷物を全て捨て自分の思う通りに生きられたらどんなにいいだろう。


そう思ったことのある人、結構いるのではないでしょうか。

黒田はそのチャンスを掴んだのです、自分の記憶を失う代わりに。
 

冷え切った夫婦関係、離れていくばかりの息子、擦り寄ってくるのは総理に取り入って甘い汁を吸いたい人ばかり。
そのしがらみから抜けられず、無理とも思えるような策を練り、どうにも立ち行かなくなっていたのは黒田自身。
 

それら全てを捨てて再出発する決意をする黒田に立ちはだかる様々な障壁に、彼はどう対処していくのか。


三谷幸喜オリジナル脚本、監督作品。
さすがのストーリー展開、組み立ての巧妙さと、笑いどころがいいバランスで散りばめられ、家族でもカップルでも安心して見られます。


人生のリセットをこんな風に軽やかに、無理なく見られるってすごい。
 

わははと笑ってじんとくる、元気のない時でも頑張ろうと思ってる人にもぴったりくる邦画だと思います。
自分が変われば周囲も変わる、ということがわかりやすく描かれていて秀逸。 

他人の結末で一喜一憂するSNS 映画「純平、考え直せ」

奥田英朗さんの同名小説を映画化した「純平、考え直せ」。2018年日本公開。


 

昔気質の下っ端ヤクザ純平(野村周平)。
組長に呼ばれ、対立する組の幹部を殺れと命じられる。いわゆる"鉄砲玉"。
一番に慕うアニキと組長から「残り3日、好きに過ごせ。いいもん食っていい女を抱け」とお金を渡された。
そこに、縄張りのいざこざをまるめようと訪れた怪しげな不動産屋で出会った加奈(柳ゆり菜)が、なぜかくっついてくることに。決行の日まで純平は、加奈とともに贅沢三昧の暮らしを楽しむ。
一方加奈はSNSで、純平との出会いからを事細かに発信し、瞬く間にそれは拡散、誹謗中傷にさらされていくが、ひょんなことから応援の声も混じり始める。

みんな、加奈を心配し、純平をも心配し始めていた。「純平、考え直せ」その声は届くのか。

そして決行の日。



純平は、不良上がりのチンピラだが、義理人情に厚い古いタイプ。
仲間が困っていると聞けば飛んでいくし、その解決は必ずしも格好いいものではないのだけれど、全力で真正面から立ち向かう姿に、加奈は一瞬で惹かれてしまう。

純平は、自分の運命も行く末も何となく感じているのだけれど、性格上臆病風を吹かせるわけにもいかず、どんどん愛しくなる加奈が止める声も聞こえないふりをする。

何とかならないのか。
誰か止められないのか。

SNS上のどうでもいい他人達のように徐々に気持ちが入り込んできて、加奈と純平を応援したくなってしまう。
日頃の出会いの中では何となく感じていても言わないでおくことを、SNSでは感情むき出しで話し合う人々。それは加奈も同じ。

SNSは感情のゴミ捨て場のようになっている側面がクローズアップされることが多く、時として凶器になり得るのだけれど、この物語の中ではその感情のぶつかり合いがまるで青春映画の喧嘩シーンのように清々しいものに転んでいく。

みんなが最後には叫んでいる、「純平、考え直せ」


加奈を演じた柳ゆり菜さんがとても可愛い。
彼女は純平と一緒にいることでとても濃い三日間を過ごすことになり、深く彼を愛すことになる。 純平を止めることは、彼女を救うこと。もし彼を失うことになったら、加奈は一体どうなってしまうのだろう。

たった3日に、人の人生が詰まっている。
その圧倒的な疾走感にため息が出たラストでした。

すぐそこにあり得る現実:映画「スマホを落としただけなのに」

映画「スマホを落としただけなのに」を観ました。2018年日本。




富田誠(田中圭)と恋人同士である稲葉麻美(北川景子)は、富田がタクシーに置き忘れたスマホにたまたま連絡したところそれを拾った"ある人"から「横浜のカフェに届けておく」と言われ取りに行く。
その後、スマホを介して妙なことが起こり始め、挙句に富田のスマホがロックされ代金を請求されるという事象があり、麻美は友人の加奈子(高橋メアリージュン)の知り合いであるサイバーセキュリティ会社から紹介された浦野(成田凌) により、富田のスマホを拾った人が仕掛けているらしいとの推測を聞かされた。
その後も嫌がらせのような乗っ取りが次々と起こり、順調だった富田と麻美の仲も亀裂が入り始める。
一方、神奈川県の山中で数体の女性の遺体が発見されるという連続殺人事件が起こっていた。


これは・・・怖いです。自分にもあり得ます、充分。

日頃から、SNSの乗っ取りや、他からログインした形跡があるなどという警告は届いたり耳にすることもありますし、特に珍しいことではなくなっています。
ただ、その訂正やパスワード変更を同じスマホでやる場合、そのスマホがすでに乗っ取られている場合は逆効果になるのだということをひしひしと感じました。

映画だとわかっているのに「あー、それスマホじゃなくてパソコンとかでやればいいのに」とか、「連絡は固定電話でした方がいいんだな」と色々現実的に考えてしまいます。

ただの恋人同士のスマホの乗っ取り事件かと思いきや、同時進行で進む若い女性ばかりを狙った連続殺人事件の真相、そしてプロポーズされても今ひとつ反応の悪い麻美の過去、などいろんなことが絡み合って真実へと突き進んでいきます。

ラストは少しご都合主義かなと思えるところはあるのですが、スマホを介しての脅威という意味では身にしみることが多くあります。
スマホはその人の生活や性格、つながりや過ごし方、そして過去、まで全てを知っていてその人をシンプルに語れる。

それがごっそり乗っ取られたとしたら、知られたくないことの1つや2つ、出てくるだろう。
そして見ず知らずの自分が、身に覚えのない行動を次々と取ったとしたら・・・恐ろしいことにそれがどんなに自分のキャラクターとかけ離れていても、それが新しい自分だと認識されてしまう。

麻美は普段から、割と慎重派でSNSもさほど活用していない女性でした。
そんな彼女だからこそ、乗っ取られたことにも自分に届く意味不明のメールやメッセージ、そして自分になりすましたアカウント、後手後手に回ってしまいます。

自分ももしかして何気なく登録しているアプリや、閲覧しているページ、もしかして罠が張り巡らされているかもしれない・・・

ミステリーとしての要素は多く盛り込まれていて、ラストはまあまあでしたがそれなりに楽しめます。

どうやら、2020年公開予定の続編では今回サイバー系の捜査で活躍したIT企業出身という異色刑事の加賀谷(千葉雄大)が出演することが決まっているらしいです。それも楽しみ。

noteには、もう少しネタバレに近い内容でアップしました。もっと突っ込んだ内容を知りたい方はそちらもぜひどうぞ。






 
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