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映画好き!ドラマ大好き!!LULUが、興行収入・視聴率に関係なく映画・ドラマを好き勝手にレビューします。愛溢れるエッセイをどうぞお楽しみください!

2018年12月

映画「ヴィタール」

一人勝手にリバイバル特集。
以前観たことがありますが、もう一度あの頃の自分とはまた別の視点で観られるだろう特集。

塚本晋也監督の「ヴィタール」です。



 
好きだったんですよねー、浅野忠信。2004年ですか・・・この頃一番好きだったんじゃないかな。


高木(浅野忠信)は事故により記憶喪失となった。
ただ一度は断念した医学への道を再び目指すことになり、無事に医学部に合格。
そこで一心不乱に解剖実習に取り組むうち、闇の中に葬られた記憶の断片が彼に様々な思いを想起させていく。


塚本晋也監督らしさというのでしょうか、青みがかったような独特な映像美、そこにいる人々のどこか非現実的な佇まいとともに、よりくっきりと浮かび上がる「死」という概念。
中心になってくるのは、解剖シーン。どこか作りものめいた人体は、そのまま医者の卵たちの気持ちを投影しているかのようで、ただ高木だけはそこに真摯にナーバスに反応していく。 
その理由は彼の記憶とともに明らかになってくるのですが、そこにあるのは「生と死」というものの強烈な対比に他ならない。

長期にわたる解剖実習を見学したり、と緻密な取材を重ねたという監督のどんな想いが込められたのか、そこにいる人たちの息遣いまでが聞こえてきそうな濃い作品でした。

昔見たときにはもう少しファンタジックだったというか、幻想的に物語を捉えていたような記憶があるのですが、今回は死というものが立ち上っているかのようにすっと近くに感じられました。
これも歳を重ねてきたからこそ、なのかも。
こういう作品を時を経て見直す、というのも面白い。

本作は1時間半弱と、2時間は長いなと思える方への鑑賞にもおすすめ。ただし解剖シーンがありますので、過剰に反応するかたは要注意です。

映画「闇金ウシジマくんPart 3」

ドラマ版は何だかんだ観てました。闇金ウシジマくん。
毎回目を覆いたくなるような、金に狂わされた人間たちの愚かな末路満載で「お金の怖さとそれに群がる人間の悲哀」を存分に感じさせてくれる本作。

映画版は3とラストが続けて公開されましたが見逃していました。



今回は、ネットビジネス界に君臨する天生塾に魅せられた派遣労働者の男(本郷奏多)が、ネットで成功するノウハウをあらゆる人脈を使って売りまくり、のし上がっていく様を描き、サイドストーリーとして不倫二股当たり前、愛人から借りたお金でキャバクラ嬢に入れ上げるゲス男(藤森慎吾)の悲惨な末路を描いています。

毎度、お金に使われ、お金によって人生を左右される人たちの姿を時に滑稽に、時にシリアスに描く本作。幸せになれない人の方が多い気がしますし、人生教訓かと言えばそんなこともない、ただ残酷に迫り来る「返済日」という名の地獄。
 
今回はどこにでもありそうな話。
これを買えば、これを見れば、そう密室でささやかれ乗せられ追い詰められ、100万、200万と成功のノウハウを記したDVDやセミナーを契約する人たち。
そこに群がるのは、楽して金儲けしたいという輩から、一発逆転を狙う負け組、そして切実にお金が欲しい低所得の人々。誰もが真剣に血眼になって、己の成功だけを信じて突き進む。どんなに胡散臭くてもどこかに置き忘れたネジが、感覚を常識を狂わせていく。

決してお金だけでは幸せになれない、そう言う口が高級マンションに住み、外車を乗り回し、何不自由なく高級レストランに通う自分になりたいと囁く。
目の前をかすめていく、自分とは変わらない毎日を抜け出した成功者。そこに乗らずしてこの先に何か逆転するチャンスなどあるのだろうか。

何かを信じ、突き進まなければこの平凡な人生を変える劇的なことなど起こりはしない。
どこにでも落ちていそうな夢物語を言葉巧みに操り、人々を魅了し続けてそのトップに君臨する男も、心から幸せなのかどうかはわかりません。

冒険をしないで安全なところに止まるより、アップダウンで最後落ちぶれようとも「輝かしい何か」はあったほうがいいのかな・・・と思えてくることもあります。正直。
 
それにしてもこれを見ると、尽きることのないお金の魔力をひしひしと感じます。
これからキャッシュレスの時代になったら、もう少しお金に対する人間の意識も変わってくるのかなぁ。
そしたらめちゃくちゃな利息も、姑息な隠し財産も減り、もっとお金に対する人々の意識もフラットになってくるのかもしれませんね。そうしたら・・・最後の紙幣の時代なんて言われちゃって、若者に揶揄される時代がくるのかもしれない、お金の魔力を目の当たりにした我々世代は(笑) 

映画「ふきげんな過去」

映画「ふきげんな過去」を観ました。



退屈な毎日にいつもふきげんな顔をしている果子(二階堂ふみ)。そんな日常に突然、死んだとされていた伯母(小泉今日子)が帰ってきた。
実は彼女は果子の母親。ただ感動の再会などなく、薄々感じていた現実を目の当たりにして、よりふきげんな気持ちを増幅させていく彼女。
人生なんてそんなもの、彼女の毎日に彼女を奮い立たせる何かは起こるのか。


とにかくこれ、理解しようとしてはいけない映画、です(笑)

なぜか果子はいつもぶすっとしているし、人間関係も「そういうこと」という家族特有の空気で進んでいき、半ばこちらは置いてけぼり。
登場人物も整理がつかないまま、出るわ出るわ独特な人たち。

いやー、セリフの妙、掛け合いがどこか演劇っぽいなぁと思っていたらなるほど、劇団五反田団主宰の前田司郎さん脚本監督作品ですって。
その世界を見事に演じきっている面々をよそに、一人映画っぽいドラマっぽい雰囲気に引き戻してくれるのが高良健吾くん。
あの湿っぽくて静かなトーン、好きなんですよねー。ただ、昔誘拐されたことのある(?)役どころで一癖はあるんですけれど。

でも家族の空気感、小さな街の雰囲気、そういうものが存分に詰め込まれていて、ギリギリのところでこちらにもちゃんと取り込む隙をくれるあたり、ライブ感覚を身につけていた監督ならでは、なのかもしれません。この脚本は彼でないと監督できないのではないでしょうか(笑)

面白い作品だったなーと思いますが、好き嫌いははっきり分かれると思います。
二階堂ふみちゃん、小泉今日子と聞いてワクワクしている人にはあんまりオススメしないかも(笑)なかなかクセのある顔が見られて、彼女たちの「演技者としての幅」は感じられるかもしれないけれど。

ふきげんな過去
小泉今日子
2016-12-07



前田司郎さんの小説、結構面白いです。

逆に14歳
前田 司郎
新潮社
2010-02-26

 

映画「彼女がその名を知らない鳥たち」

映画「彼女がその名を知らない鳥たち」を観ました。2017年日本。



十和子(蒼井優)は、陣治(阿部サダヲ)から毎日お小遣いをもらいながら陣治が用意したマンションに住み、日々を漫然と暮らしていた。 
そんな十和子には忘れられない男黒崎(竹野内豊)がいるが、ひどい別れ方をしたまま一切会っていない。そんな時に時計の修理のいざこざで売り場の男水島(松坂桃李)と出会い、十和子は強烈に惹かれ不倫関係となる。 そんな十和子に付きまとい、別れろと迫る陣治。
それでも水島にこだわる十和子の元に、黒崎が5年前に失踪したと言う知らせが入ってきた。
水島との関係に異常な感情をむき出しにしてくる陣治にある疑念が浮かぶ十和子。
5年前、一体何があったのか。


十和子を散々弄び利用した男黒崎は心のないクズ、十和子の孤独を一瞬にして見抜きそこに付け入る水島は自分勝手なクズ、そして陣治の深い愛情に辟易しながらも利用し、そこにあぐらをかいている十和子は女のクズ。
本当にイライラするような人たちが繰り広げる愛憎劇は、それでも人間らしさに満ちていて見入ってしまうのです。 
陣治は一途に十和子を思い、そのために何でも捧げようとする献身的な男。でもその見てくれは決して良くは無く、口を開けば愚痴とありもしない夢物語を語る男。 
共感しづらい面々を見つめているうちに、その誰もが腹の底を隠すことなく露呈し無様に今を生きていることがじんわりと伝わってくるのです。
唯一、十和子の姉が最も常識人のような顔で私たちの前に現れるのですが、その姉も決して幸せとは言い難い状況にあった。

阿部サダヲが一人の女を執拗なまでに愛する姿を好演。
あそこまで執着できるのは幸せなのか、果たして。

ラスト、陣治と十和子の出会いからを走馬灯のように振り返るシーンでは涙が止まらず、なぜこんな風に泣くのだろうと訳のわからない心の乱れを巻き起こす本作。
愛の形、と言うものはいびつであればあるほど、愛おしい・・・のかもしれない。 


結構小説のエピソードを余すことなく盛り込んでいた映画のような気がします。
配役も素晴らしい。





 

映画「勝手にふるえてろ」

映画「勝手にふるえてろ」を観ました。2017年日本。



松岡茉優ちゃん主演の本作。
とにかくすごいパワフルで、何て映画だ!っていう映像連続の素晴らしい作品でした。
こんな邦画が去年公開されていたなんて、すごい嬉しい!(映画館で観られなかったー、残念)

ヨシカ(松岡茉優)は、中学時代から10年間ろくに喋ったこともないイチ(北村匠海)にずっと脳内片思い中。中学時代の数少ないエピソードを毎日毎日思い出してはほくそ笑み、唯一の趣味である絶滅危惧種を愛でながら、平凡な会社員生活を過ごしていた。
そんなある日、同じ会社に勤務する霧島こと二(渡辺大知)からいきなり告白される。人生初めての告白!
舞い上がったヨシカだが、勝手にイチか二か、二人の男の間で揺れ動きついには行動を起こす!

恋する女の底知れぬパワーと、臆病で自分に自信のない女子の深い闇を昇華させるとこんなことになるのか!というこれまでにないストーリー展開にただただ圧倒されます。
そして松岡茉優ちゃんの類稀なる演技力!そして歌唱力(いきなりミュージカル調になるゆえ)!
素晴らしいなー。
恋する女の子の脳内なんて本当にお花畑と台風、ピンクとブルー、入れ替わり立ち代り期待と絶望とに飲み込まれ混乱し、そして勝手にその思いにどんどん不要な水分を染み込ませてしまう。その重さに耐えきれず、予想外の突飛な行動に自分が驚いたり。
いろんな自分を知るってことが、恋するってことなんだろうな。

監督は、「恋するマドリ」の大九明子さんだそう。
「恋するマドリ」って観たことないんですが、ガッキーと松田龍平が共演したという映画。何と菊地凛子も出ているらしい。ドラマけもなれと同じじゃないか!何たること。
これも観なきゃ。

恋するマドリ 通常版 [DVD]
新垣結衣.松田龍平.菊地凛子.中西学.ピエール瀧.江口のりこ.矢部太郎(カラテカ).廣田朋菜.マリエ.内海桂子
バンダイビジュアル
2008-01-25


 
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