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2017年06月

映画「オーバーフェンス」

映画「オーバーフェンス」を観ました。2016年日本。



東京から函館に戻り、職業訓練校に通うバツイチの白岩(オダギリジョー)。何の目的も目標も持てずに、日々を漫然と過ごしていたところに、学校の同期である代島(松田翔太)から誘われたスナックで不思議な女(蒼井優)と出逢う。
互いに惹かれ合いながらも傷つけ合う2人、白岩は心の中にあるわだかまりと向き合い、前に進むことができるのか。


職業訓練学校に通う男たちは、大工の訓練を受けながらも何となく過去に引きずられ、どうしようか、何になれるのかと迷いうろついている面々。
年齢も生い立ちも違う男たちが、ダラダラと何ともない会話を日々交わす様子がすごくナチュラルで、学校と社会の狭間にいる中途半端な立ち位置がよくわかります。
白岩はその左薬指のリングを戒めとして、折り合いがつかない自分に苦しんでいる。
そんな白岩と出会った女は、自由奔放で頭空っぽな装いをしているのだけれど、壊れている自分を持て余している。2人が一線を越えた時、どうしても立ちはだかるものが出てきたことで、白岩はようやく自分と向き合う決意を固めるのだったが。

最後は爽快なシーンで終わるのだけれど、決して楽ではない未来をかすかに祈りたくなるお話でした。壊れている人よりも、人を壊す方が何倍も怖い。確かにそうだなと思えます。

中でも最年長でどこか飄々とした訓練校の同期の男勝間を演じた鈴木常吉さんがいい味出してました。注目です。

オーバー・フェンス
オダギリジョー
2017-05-24


この映画も佐藤さんの原作だったんですね・・・




そこのみにて光輝く (河出文庫)
佐藤 泰志
河出書房新社
2011-04-05




 

映画「TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ」

映画「TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ」を観ました。

宮藤官九郎脚本・監督、長瀬智也主演のブラックコメディーロックミュージカル・・・とでも称せばいいでしょうか。
とにかくロックで、クドカンらしいてんこ盛りな作品でした。

 

バス事故で(?)地獄へ落ちることになった大助(神木隆之介)。最初はなぜ自分がそんなことになったのかよくわからず、しかも大好きなひろみちゃんについにチューいや告白すらできていないことに痛烈に後悔する。そこへ地獄のロックバンドのヴォーカル兼ギターのキラーK(長瀬智也)と出会い、現世に戻れるよう地獄の特訓を受けることになる。


展開の早いロックミュージカル映画で、クドカンらしいユーモアもてんこ盛り。輪廻転生を希望する大助だが、人間に生まれ変わるとは限らない。
様々なものに生まれ変わっては、地獄よりも早く時間経過してしまう現世の移り変わりを目にすることになる大助。そこには自分はいない。では、愛しのひろみはどこにいるのだろう?同じバス事故で亡くなったとしたら、もしかして地獄ではなく・・・天国にいる?

小鳥やザリガニ、果ては犬になり変わって現世に戻る大助。自分のいない未来で偶然にもキラーKにつながる人たちを目にしてしまい、徐々に心は現世でひろみとチューをすることから、キラーKの思いを届けると言うことに変わっていく。

様々な特訓の成果により大助がようやく掴んだ天国への切符、ただその天国は夢のように退屈な世界だった。
確かに天国よりも地獄の方が変化に富み、苦しく残酷でひどい世界ではあるのだけれど、何もないよりはマシかと思えてしまう。
ただ、死ぬと言うこと、生きることの意味というものをちゃんと盛り込んでいる、真面目に遊んだ作品だったなと思います。

豪華なキャストも見もの、特にcharと野村義男のギター対決は見ごたえありました(笑)




 

映画「セトウツミ」

映画「セトウツミ」を観ました。2016年日本。

放課後、川のそばにある石階段でただダラダラと喋る2人の男子学生。セトとウツミ。
ウツミ(池松壮亮)はイケメンでインテリと青春を謳歌する要素は揃っているのに、人と交わることが苦手で周囲と違いクールすぎる内面を持て余している。そんなウツミの心にするりと入って来たのが、部活をやめざるを得なくなり暇を持て余したアホで熱い男セト(菅田将暉)。

ウツミが塾に行くまでの1時間半、毎日飽きもせずくだらない話を続ける2人の、青春の物語。

 


同名漫画が原作のこちら。もういかにも漫画らしいやりとりが盛りだくさんです。




くだらないダラダラした会話は、日常ではあるものの、いざ映画にしてみたらひどく退屈で寒々しい仕上がりになると思いきや、それをちゃんと作品にしているのは、他でもない主演の池松壮亮と菅田将暉の力なのかなと思います。

何事もトライしてみたらいいじゃないかと思いがちな青春を、何もせずにただひたすらに気の合うやつとくだらないことを話して過ごす。それが何かの為になる、とか、将来の糧になるなんてことも全く考えない、そんな日々があってもいい。
何不自由なく育っているがどこか窮屈なウツミは、家庭にも経済的にも成績もちょっと足りてないセトといるときが一番楽で自由。
あっけらかんとしたセトは、愛しのマドンナに冷たく接しているくせになぜか好かれているウツミを羨ましく思いながらも、からりと自分の恋心を吐露したりする。

ショートストーリーのつなぎ合わせの本作ですが、映画ではい終わり、というのではなくて、ネット配信のドラマみたいな感じで少しずつダラダラと観続けたい気もするなーと思いました。

一番好きなのは、ウツミがセトと知り合うという「0話」。人と人との出会いって、偶然の1つなんだなぁとつくづく感じます。

映画「美女と野獣」

ファーストデーに映画に行きました。「美女と野獣」です。

ただ、観始めてから自分があんまりミュージカル映画が得意でないことに気づくと言う・・・



呪いをかけられ、野獣の姿にされた王子は同じく呪いをかけらけた者たちとひっそり、鬱蒼とした城に住んでいた。そこへ、村一番の美少女と言われるベルがやって来て、王子の瞳の奥に宿る優しい心を見出していく。 

こう言う映画は、ひねくれた仕掛けもなくただその世界に浸れるので安心して観られます・・・が、やっぱり「なぜそこで歌うのだ」みたいな、ひねくれた自分もいてどっぷり浸かるのは難しかったかな。

単純に衣装やセットの素晴らしさ、テーマパークに来たような高揚感はあり、特にあらゆる道具に姿を変えられたかつての城の住人たちの描き方はさすがで、おとぎ話を実写化することへの抵抗感は全くありませんでした。 

でも、野獣の王子もたくましく優しい男という感じで嫌いじゃなかったかな・・・

全てが散った時に野獣の運命が決まるというバラの花びらが落ちるたび、彼の孤独と哀愁が色濃く感じられて、個人的にはすごくいいシーンだったなと思います。

最初から最後まで世界観が確立していて、善悪とは、恋愛とは、そして大切なものとは、というテーマを非常にわかりやすく、優しく語りかけてくれるような、そんな映画でした。

そして・・・これを観た翌日には、Mステに西島隆弘さんと宇野実彩子ちゃんが登場してYouTubeにUPして話題の、「美女と野獣」を披露していましたね。ガラスの器に入ったバラの演出、見事だったなー。




 
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