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2017年02月

映画「愚行録」

映画「愚行録」を観ました。公開中。

先行して原作を読んでいたので、物語の流れ、そして真犯人も知っていると言う状態ではありましたが、原作にははっきりその姿を描かれていないライターの田中を主人公に据えたことで、また違った角度からこの事件を見つめることができました。
スクリーンで観ることをお勧めしたい、登場人物たちの「素の顔」が圧倒的なスケールで表現されています。 


ライター田中は、一年前の未解決一家惨殺事件について調べていた。
彼の妹はネグレクトの疑いで逮捕されており、起訴される見込みが濃厚。「何かに打ち込みたいんだろう」と言う上司からの気遣いもあり、もう皆の記憶から忘れ去られた事件を追うことを許される田中。
殺されたのは近隣からは、「感じの良い理想的な家族」として映っていた田向家。
ただ、彼らの過去を知るものたちからは、意外にも田向夫婦の裏の顔が漏れ聞こえてくる。
彼らを殺したのは一体誰なのか。
田中は真相に辿り着けるのか。


「王様のブランチ」のインタビューでこの映画の見所を聞かれた妻夫木聡さんが、冒頭のバスのシーンを挙げていました。実際観てみて、なるほど。唸りたくなるようなテーマをいきなり最初に突きつけられます。

人には正義がある。正しいと信じていることがある。それは植え付けられたものでもあるし、一般的に言われていることでもあるのだけれど、果たしてそれは本当に万人にとっての「正義」なのだろうか。
尊いもの、正しいこと、そして常識。自分のど真ん中は、実は誰かの異質なのかもしれない。

みんなにとって幸せなこと、楽しいことなどないとわかってはいるのだけれど、人は無意識にそこに行こうとする、その愚かさを真正面から突きつけられます。

必死で生きて、必死で追い求めて、清々しく正直に生きてきた結末は思い描いた理想だろうか。

妻夫木聡と満島ひかりの存在感に圧倒されました。
どこか秘密めいたミステリアスさと、危うい少女のような顔を見せる妹の光子。その整った顔立ちとは裏腹に、腹の中に黒く冷たいものを抱えている兄の田中。この二人のやりとりを軸に、田中の取材が田向夫婦にかけられたヴェールを一枚一枚剥がしていく。
その過程に見える、事件の真相とは。

原作を読んでいてもしっかり楽しめる本作。いや、原作を読んでいるからこそ見えてくることもあるように思えます。





原作はこちら。
 
愚行録 (創元推理文庫)
貫井 徳郎
東京創元社
2009-04-05

 

それにしてもそろそろ、〜回の衝撃、とか、ラスト〜分に驚愕する、とか言うのやめにしてくれないかなぁ・・・何だかそれに気をとられると肝心の物語に集中できない気がします、逆に。 

映画「アイ アム ア ヒーロー」

映画「アイ アム ア ヒーロー」を観ました。2016年日本。

浜松でロケをしていたというのを聞いていたのですが、公開中には見逃してしまい、この度ようやく観られました。


漫画家のアシスタントとして冴えない日々を送る超普通の男、鈴木英雄。同棲中の彼女からも愛想をつかされ、持ち込んだ最新作は「主人公が普通なんだよね」と言って突き返される。
ところがある日、街は意味不明の感染症に犯され大パニック。
何とか逃げ伸びた男鈴木は、女子高生ひろみと出会い行動を共にすることになる。ところがひろみは、赤ちゃんから感染したと見られ軽度の症状に悩まされていた。
鈴木はひろみを守ることを決意し、やがて感染者の通称ゾキュンとの戦いに飲み込まれていくのだった。
普通の男鈴木は、果たしてヒーローになれるのか。


 


途中までは、B級のゾンビ映画か?!と思うほどに、そりゃR15+指定ですわなというグロい場面の応酬でちょっと疲れてきたのですが、英雄たちがアウトレットモールにたどり着き、伊浦率いるゾキュンと戦うコミュニティと合流したあたりから物語が動いてきて引き込まれました。

原作の漫画ではもっと個人個人の背景などが丁寧に描かれているようで、それを二時間に盛り込むにはさすがに無理だったのか、かなり端折っているので、ちょっと呆気ない感じは否めません。

ただ、普通の男鈴木英雄が、瞬時にしてヒーローになるのではなく、幾度となく意気地のない自分の「普通」さ加減に辟易しながらも、ようやく最後に意地を見せるというあたりはリアリティがありました。
そう、自分があんなことになったとしても、いきなり普段の生活から隔離して「何か」になるなんて到底考えられない。そこが「ヒーロー」という言葉により重みを感じるところではあります。

脚本は、「重版出来!」「逃げるは恥だが役に立つ」でおなじみの野木さん。普通の男鈴木英雄の描き方はさすがという感じでしたが、私的にはラストが少し物足りなかったかな。
そして劇中に登場する漫画は浅野いにおさんが担当しているようです。豪華!

1人できゃあきゃあ言いながら観終わった感じなので、あまりグロい作品が好みでない方には向かないかも・・・でも思ったよりもストーリーは深かったです。 

映画「相棒 劇場版IV」

シリーズ四作目となる「相棒 劇場版」を観ました。公開中。

初日に観ていましたが、今頃のレビューです。


特命係の杉下と冠城は、国際犯罪組織のリーダー・レイブンが日本に潜伏しているとの情報を得たのちに香港から入国しているマークリュウという人物の案内役を指名される。潜伏先の調査を手伝っている最中、外務省のホームページをハッキングした犯罪組織から7年前イギリスの日本領事館関係の集団毒殺事件の唯一の生存者で、直後に誘拐されたまま姿を消した少女えりかの現在の姿と思しき動画が配信される。そこに込められたメッセージと身代金の要求。
レイブンは何者なのか。えりかは監禁されたまま7年もの歳月をどう過ごしてきたのか。動画の女は本当にえりかなのか。
特命係の2人がマークリュウと共に、真相に迫る。


 


最初から少し「こうなのかな」と予想しながら観ていましたが、それを置いてもスケールの大きい映画版相棒でした。
国を背負い、国を信じたものたちの悲しい過去と現在の姿。
平和という名の下に犠牲になった人たちの想いは、一体どれほどのものなのか。

想像の域は超えないものの、大きなものに飲み込まれて潰された家族、志、プライドを思う時日本が平和なのだと言い切れるのかどうか。

ドラマ版においても見ごたえのある回が前後編と続いていた流れもあり、久々に重いテーマに切り込んだ緊張感あるストーリーでした。

今は右京さんと絡むことがなくなった米沢さんや、ドラマでもちょこちょこその顔を拝見する神戸くんとの絡みも懐かしく、楽しく観られましたし、笑いもある盛りだくさんの内容。
そして、右京さんの全力疾走は見事だった!ということは付け加えておきます。

観客は全体的に年齢層は高めであったためか、落ち着いた雰囲気で存分に楽しめました。
気になる方はぜひ劇場で! 

映画「蜜のあわれ」

映画「蜜のあわれ」を観ました。2016年日本。

 

死期迫る老作家「おじさま」と、金魚と少女の間を行ったり来たりする愛くるしい存在「あたい」との間の時にファンタジックな愛欲の世界。
何となく、理解しがたい話なのかなと思っていましたが、二階堂ふみの金魚ぶりには興味津々でした。

とにかく、金魚である「あたい」が「おじさま」を愛し、嫉妬し、時にわがままに、時に献身的にその気持ちをコケティッシュに表現する様はとても可愛らしい。
終始、金魚である二階堂ふみの魅力に引っ張られているような、そんな映画でした。

老作家と少女の恋ということで、普段ならば食指が動かないタイプのストーリーなのですが、金魚である少女という幻想的なキャラクターのせいでそこまで生々しくならずに観られます。
ただ、割とストレートに性欲や嫉妬について描かれていますので、そういうのが苦手な方は要注意。
そこはファンタジーといえど、老作家の視点はあくまでも人間的です。

途中、幽霊として真木よう子が絡んでくるのですが、このビジュアルがちょっと金魚と対比するとあまりにも短絡的でもう少しどうにかならなかったのかなーというのが正直なところ。

二階堂ふみワールドは炸裂していますので、ファンの方は堪能できるのかなと思えます。
それと、高良健吾の芥川龍之介はすごい。繊細な文学者の風格を見事に演じていました。それだけでも見る価値ありでしょうか。

室生犀星の小説が原作となっていますので、今度はそちらを読んでみたいな。


 
この本、装丁も素敵!

蜜のあわれ
室生 犀星
小学館
2007-06-12

 
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