映画好き!ドラマ大好き!とにかく観なきゃ始まらない!

映画好き!ドラマ大好き!!LULUが、興行収入・視聴率に関係なく映画・ドラマを好き勝手にレビューします。愛溢れるエッセイをどうぞお楽しみください!

映画「スポットライト 世紀のスクープ」

映画「スポットライト 世紀のスクープ」を観ました。2015年。



カトリック教徒の多いボストンで、神父による集団児童虐待事件をスクープした実話を元に制作された本作。
教会が地域に貢献し、人々の拠り所となっているために、見過ごされてきた真実。それらを追求するも家族や周囲の理解を得られないというこの一大スクープを、諦めることなく追い続けた記者たちの戦いのドラマになっています。

こういった宗教にまつわる話というのは、なかなか理解しづらくどちらかと言えば苦手なジャンルです。
このスキャンダルを記事にすることがいかに難しいか・・・などということは、本当の意味では理解できないし、ただ悪を暴くということ以外に絡み合う複雑な事情などを事細かに感じることができないからです。

心を閉ざし、人を信用できなくなっている頑なな心をどうやって溶かし、こちらに向いてもらうのか。
駆け足とは言え、めげずに立ち向かうことを決意したメンバーたちが葛藤しながら前に進む姿には格好良さを感じました。
それが実話を元にしている、と聞くとなおさらにストーリーに厚みが出てきて、静かながらも強い意志を感じさせるのです。

ここでは真実こそが重要。
派手なアクションや巧妙なトリック、か弱く美しいヒロインに屈強なヒーローなどという図式ではないのだけれど、正義が勝つというラストは清々しい気持ちになれます。


スポットライト 世紀のスクープ[Blu-ray]
マーク・ラファロ
VAP,INC(VAP)(D)
2016-09-07


映画「さよなら歌舞伎町」

映画「さよなら歌舞伎町」を観ました。2015年日本。

一流ホテル勤務のはずだったと自分を押し殺して働くラブホ店長(染谷将太)と、プロデビューを夢見て音楽プロデューサーと関係をもつその恋人の沙耶(前田敦子)。韓国から夢を叶えるために日本にやってきて、それぞれ秘密を持ちながら暮らしているヘナとチョンス。夫を殺してくれた男(松重豊)と駆け落ち同然で逃げている女(南果歩)、時効の15年は目前に迫っている。
訳ありの男と女、それぞれの想いを抱えながら、新宿歌舞伎町のラブホ「アトラス」に集い、そして散っていく。
そんなラブホの一日を描いた作品。


 

表示される時間とともに、観ているこちらも一日をともに過ごしているような気分になる作品でした。
本当はこうじゃなかったのに、と道がそれたポイントに戻ることもできず、そもそも戻りたいという気持ちがあるのかもわからずに、日々を過ごしている男と女。
ただ一生懸命だったはずで、誰からも責められることなんてないのに、でも少しも迷いがないかと言えば嘘になる、そんな普通の、当たり前の人たちを追った本作。

特に劇的なことでもなく、でも退屈ではない、誰にでも当たり前にある一日という時間をそれでも進むしかできない気持ちとともに一緒に駆け抜けた、そんな達成感のある作品でした。

特に、時効を控え、息を潜めて愛しい男を守ろうと必死で生き抜く女、南果歩が圧巻。
最後に彼女が観た景色は、どんなものだっただろうかとそんな想いにとらわれました。

どんな場所でも、どんな暮らしでも、強い気持ちで乗り切ろうとする、「人」としてのしなやかさ、たくましさをじっくりと感じさせられました。

抜け出すことというのは、思った以上にしぶとくて手強い。そこに向かう覚悟ができたとき、人は別の場所にいくことができるのだと、そんな風に思う。


 

映画「クリーピー 偽りの隣人」

映画「クリーピー 偽りの隣人」を観ました。2016年日本。

犯罪心理学を教える高倉(西島秀俊)は、ある失態が元で辞職した元刑事。
犯罪心理の資料集めとして、とある一家失踪事件に興味を持つ高倉だが、元後輩の野上によりその事件では1人だけ生き残った少女がおり、それとなく調べることを依頼される。
高倉が事件を追ううち、言動におかしなところのある隣人西野(香川照之)との奇妙な類似点が気になりだす。

 

隣人西野は、決して悪い印象を与えるわけではないのだけれど、言動が微妙に常人ではない何かを感じさせる男。
高倉の妻は気味の悪さを感じながらも何となく気になってしまい、徐々に西野の手に落ちていく。

何がと言われたらうまく説明できないのだけれど、薄気味悪い空気感を纏う男と、犯罪心理という特殊な分野に身を置きながらも、過去の失敗や豊富な知識に溺れ正常な判断を失う男。
冷静に考えて、どちらが狂っているのか、どちらが正義なのか、混乱してしまうほどに様々な角度からの視点で見られる映画です。犯罪を犯していないというだけで、事件をまるで興味の対象のように扱い一喜一憂する高倉は、果たしてこちら側の人間なのだろうか。

とにかく香川照之の演技が圧巻。常人と狂気との間をゆらゆらと行ったり来たりする得体の知れない男を実にうまいさじ加減で演じています。
西島秀俊、竹内結子という実力派に並んで、ちょっと東出くんのところで緊張感が途切れるなぁと残念さは残ります。もう少しリアリティのある展開ならばもっと良かったかも・・・隣家の異様さがあまりにも際立っていて、うまく現実と折り合わなかったようなところもありました。

ただ、誰もが自分が基準であり、他人の目から物事を見ることは絶対にないのだということはひしひしと感じさせられます。その自分の基準をも取り上げられてしまったら、人はどうやって生きていけばいいのか。

壊れかけたものが本当に元に戻ったのか、もどかしいほどにわからない呆気ない幕切れでした。
こういう話というのは、嫌な後味になりがちではありますが、それよりも物語の先が気になるというストーリー展開です。
原作と果たしてどの程度リンクしているのか・・・今度ぜひ小説も読んでみたいです。




クリーピー (光文社文庫)
前川 裕
光文社
2014-03-12


 
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